仏壇は、ご先祖様を大切にお祀りしてきた特別な場所だからこそ、処分を考えるときに悩む方が多いものです。手間や費用を抑えたい、とはいえ失礼にならないよう供養もきちんと行いたい――そんな複雑な思いを抱える方に向けて、仏壇の処分方法を分かりやすく整理しました。
仏壇処分の方法とは？
ここでは、仏壇を処分する際の代表的な2つの方法を取り上げます。まずは、それぞれの特徴や流れを把握しておくと、後の比較検討がスムーズです。
1. 自分で処分する方法
自分で処分する場合、自治体の粗大ゴミとして出す方法や、リサイクルショップへ買取依頼をする方法が挙げられます。費用を抑えられる一方で、魂抜き（閉眼供養）の手配や大型仏壇の運搬など、事前に注意すべき点もあります。
- 自治体の粗大ゴミとして出す
事前予約をしたうえで処分券を購入し、粗大ゴミ収集日に出すのが一般的です。費用が安い反面、供養は自己手配になるため、抵抗を感じる方もいるかもしれません。 - リサイクルショップ・骨董店に買い取ってもらう
状態や素材によっては査定額がつく可能性があります。出張買取を実施している業者を選べば、搬出の手間を軽減できます。
自分で処分する場合の注意点
- 供養を行うかどうか
仏壇から位牌やご本尊を移し、「お性抜き」をしてから処分するのが一般的です。宗派や地域の習わしによって異なるため、菩提寺などに確認すると安心です。 - 搬出の負担
大型仏壇の場合、運び出すだけでも大きな負担になります。手伝ってくれる人を確保したり、ケガに注意したりすることが必要です。
2. 業者に依頼する場合
自分で運ぶのが難しい、大きな仏壇を解体してほしい、あるいは供養も含めてすべて任せたいときは、専門業者への依頼がおすすめです。ここでは、業者に依頼する場合に知っておきたいポイントをまとめます。
メリット
業者を利用する上での良い点には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に主な内容を挙げます。
- 供養込みプランがある
僧侶による読経や閉眼供養をセットにしている業者も多く、気持ちの面で安心できます。 - 搬出・解体をすべて任せられる
重い仏壇を運ぶ必要がなく、傷つける心配も軽減されます。 - 不用品をまとめて処分できる
引っ越しや空き家整理など、仏壇以外の処分品も一括で依頼できる場合があるので効率的です。
デメリット
一方で、業者に依頼するときに注意すべき点もいくつかあります。以下に代表的なものをまとめました。
- 費用が高めになりやすい
自治体の粗大ゴミと比べるとコストは上昇しがちです。見積もりを複数社から取り、比較するのが賢明でしょう。 - 業者選びを慎重に行う必要がある
供養を謳いながら実態は雑な処分に終わる場合もないとは言えません。口コミや具体的な供養方法をチェックして、信頼できる会社か見極めましょう。
仏壇処分業者の比較ポイント
業者に依頼する場合、どのような点を基準に選べばいいのでしょうか。ここでは、代表的な比較ポイントを挙げます。
費用相場
業者ごとの料金を比べるときは、仏壇のサイズやオプション（供養の有無など）を考慮しましょう。下記はあくまで目安ですが、サイズ別のおおよその費用感を表にまとめました。
| 仏壇サイズ | 処分費用の目安 | 供養料金の目安 |
|---|---|---|
| 小型 | 5,000円～10,000円 | 3,000円～5,000円 |
| 中型 | 10,000円～20,000円 | 5,000円～10,000円 |
| 大型 | 20,000円～30,000円 | 10,000円前後 |
見積もりの際は、「処分費用」「供養費用」「出張費」などの内訳を分けて確認し、トータルでいくらかかるかを把握することが大切です。
供養の有無
仏壇はご先祖様の拠りどころであり、処分時にも供養をするかどうかは大きなポイントになります。業者によっては、僧侶の読経やお性抜きがプランに含まれている場合もあるため、安心感を重視する方は要チェックです。
おすすめ仏壇処分業者5選
実際に仏壇処分を依頼する際に、選ばれることの多い業者を5社ピックアップしました。それぞれの特徴や費用目安、対応エリアなどを参考に、最適な業者を探してみてください。
1. くらしのマーケット
全国対応のサービスを比較・予約できるサイトで、多数の不用品回収業者や遺品整理業者が登録しています。口コミを確認しながら、自分の地域に合った業者を選べるのが利点です。
- 特徴
・複数の業者を料金や口コミで比較できる
・仏壇処分だけでなく、他の不用品回収もまとめて依頼可能 - 費用目安
・小型仏壇なら8,000円～15,000円程度（供養別途） - 口コミ
「ネット上で見積もり依頼から予約まで完結して楽」「料金の比較ができるので安心感がある」
2. お仏壇のはせがわ
全国に店舗を構える仏壇・仏具専門店で、古い仏壇の引き取りや処分、供養の相談にも対応しています。買い替えを考えている方にとっても便利です。
- 特徴
・仏壇・仏具に関する知識が豊富なスタッフが在籍
・閉眼供養の段取りなども相談しやすい - 費用目安
・処分と供養あわせて15,000円～30,000円程度（サイズによる） - 口コミ
「専門店ならではの安心感があり、丁寧に対応してもらえた」「買い替え時の下取りとしても利用できて助かった」
3. リサイクルショップ バイキング
関東を中心に展開する総合リサイクルショップで、仏壇の買取・回収にも対応しています。搬出が困難な大型仏壇の場合でも、スタッフが手配してくれるので安心です。
- 特徴
・仏壇だけでなく他の不用品もまとめて処分や買い取りが可能
・状態が良ければ査定額が期待できるケースもある - 費用目安
・小型仏壇の処分は5,000円前後～
・買取可能な場合は処分費用から差し引きも可 - 口コミ
「意外と値段がついたので、実質の出費を抑えられた」「スタッフの対応がスピーディーで助かった」
4. 遺品整理のプロ アーク
関西・東海エリアをカバーし、遺品整理や特殊清掃なども手がける業者です。仏壇の閉眼供養などもスタッフが手配してくれるため、遠方の方でも手間をかけずに依頼できます。
- 特徴
・遺品整理士が在籍し、供養に関する手順も熟知
・空き家整理やゴミ屋敷片付けも同時に頼める - 費用目安
・中型仏壇の処分＋供養プランで20,000円～30,000円程度 - 口コミ
「供養をしっかり行ってくれたので安心」「他の不用品も一括で処分でき、手間が減った」
5. まるごと片付け クリア
首都圏を中心に、不用品回収からゴミ屋敷の片付けまで幅広く扱っている業者です。仏壇の供養プランも選べるため、すべてを丸投げしたい方に向いています。
- 特徴
・仏壇解体や搬出の経験豊富なスタッフが在籍
・僧侶を呼んでの読経オプションもあり、安心感を得られる - 費用目安
・小型仏壇 8,000円～15,000円程度（供養オプション別途） - 口コミ
「作業が速く、部屋を傷つけないようしっかり養生してくれた」「まとめて頼めたのでトータルコストが抑えられた」
FAQ
仏壇処分について、よくある疑問をまとめました。事前に知っておくと、スムーズに準備や手続きを進めやすくなります。
Q1. 仏壇処分に供養は必要？
法律上の義務はありませんが、仏壇はご先祖様を祀ってきた特別なものです。多くのご家庭では、閉眼供養を行ってから処分するケースが一般的です。自分で菩提寺にお願いするか、供養込みプランのある業者に依頼するかは、それぞれの状況や気持ちに合わせて選びましょう。
Q2. 費用を安くする方法は？
- 複数社の見積もりをとる
業者によって料金体系はさまざまなので、2～3社以上を比較すると費用を抑えやすくなります。 - 他の不用品と同時に処分
仏壇以外にも処分品があるなら、まとめて見積もりをとることで割引やサービスを受けられる場合があります。 - 自治体の粗大ゴミを利用する
供養だけ別途手配し、処分そのものは自治体の粗大ゴミに出す手もあります。ただし、搬出作業などが大変な場合もあるため注意が必要です。
まとめ
仏壇の処分は、費用や手間だけでなく、心の整理という面でも大きな節目です。自分で処分する方法と業者へ依頼する方法、それぞれにメリット・デメリットがあるため、費用相場や供養の有無をしっかり確認したうえで選択しましょう。複数の業者に相見積もりをとり、口コミなどで信頼性を見極めることが、後悔のない処分につながります。
大切な仏壇だからこそ、どのように送り出すかはしっかりと検討したいところです。この記事で紹介した情報を参考に、ぜひ納得のいく形で仏壇の処分を進めてください。
