相続財産の調査は、終活の一環として重要なステップです。自身で調査を進めることには費用を抑えるというメリットがありますが、注意すべきポイントも多く存在します。本記事では、「相続財産」「調査」「自分でやる方法」をテーマに、終活を考える高齢者の方に役立つ情報を具体例とともにお届けします。
相続財産とは?まずは基礎を押さえよう
相続財産とは、亡くなった方が生前に所有していた財産を指します。これには以下のような種類が含まれます:
- プラスの財産
- 現金や預金
- 不動産(家や土地)
- 株式や投資信託
- 貴金属や骨董品
- マイナスの財産
- 借金や住宅ローン
- 未払いの税金
- 未払いの医療費や公共料金
調査を始める前に、「どのような財産が相続の対象になるのか」を明確に理解しておくことが重要です。例えば、銀行口座に眠る預金だけでなく、古いタンス預金や、押し入れに保管されている書類からも貴重な情報が見つかる場合があります。
自分で相続財産を調査する方法
自力での調査は手間はかかりますが、コストを抑えられることが大きな利点です。ここでは、具体的なステップを解説します。
1. 書類の整理から始める
相続財産の全体像を把握するには、関連する書類を集めることが不可欠です。以下の書類をチェックしましょう:
- 通帳やキャッシュカード
- 不動産の権利証や固定資産税の通知書
- 証券会社からの取引明細書
- ローン契約書や借用書
具体例: ある高齢者が書類を整理している中で、銀行通帳と一緒に株式の購入記録が見つかったケースがあります。こうした細かい情報が大きなヒントになるため、普段は気に留めない書類も丁寧に確認しましょう。
2. 金融機関や役所への問い合わせ
集めた書類を基に、各機関に問い合わせを行います。以下の方法が有効です:
- 銀行: 残高証明書を発行してもらう
- 証券会社: 保有株式のリストを取得
- 市区町村役場: 固定資産税課税明細書の確認
ポイント: 問い合わせ時には、戸籍謄本や本人確認書類が必要になるため、事前に準備しておくとスムーズです。
3. 自宅や倉庫の現物資産を確認
相続財産は書類だけでなく、実際の物にも含まれます。以下を確認してみましょう:
- 金庫やタンスに保管された現金
- 不動産内の貴金属や骨董品
- 倉庫に保管されている車両や農機具
具体例: タンスの中から古い通帳が見つかり、そこにまとまった預金があった事例があります。普段は使われていない箇所も見逃さずに調べることが大切です。
4. 家庭裁判所や法務局での確認
相続財産に不動産が含まれる場合は、登記情報を確認します。不動産の名義が亡くなった方のままになっているケースも多いです。
手順:
- 法務局で不動産の登記事項証明書を取得
- 家庭裁判所で遺言書の有無を確認
注意点と専門家の活用
自力調査には、見落としや時間的負担が伴います。特に複雑なケースでは、司法書士や税理士のサポートを検討しましょう。
まとめ
相続財産の調査は、終活を考える上で重要なステップです。自力で調査を進める場合は、まず書類を整理し、金融機関や役所に問い合わせることで全体像を把握できます。また、自宅や倉庫に眠る現物資産の確認も忘れずに行いましょう。自力での調査には時間や手間がかかるため、必要に応じて司法書士や税理士、不動産会社といった専門家のサポートを受けることが有効です。これらの方法を活用し、相続財産をしっかりと把握することで、安心して終活を進めることができます。